口唇ヘルペスの市販薬について
口唇ヘルペスは唇に水泡ができる病気で、単純ヘルペスウイルスというウイルスがひき起こします。
治療にはこれまで医師が処方するお薬が必要でしたが、最近ドラッグストアで購入できる市販薬が登場しました。
市販薬には「第1類医薬品」「第2類医薬品」「第3類医薬品」の3種類がありますが、口唇ヘルペスのお薬は購入するときに薬剤師の説明やヒアリングを受ける必要がある「第1類医薬品」です。
ドラグストアで口唇ヘルペスのお薬を買うときに、薬剤師に必ず聞かれることは「以前に口唇ヘルペスの治療を受けたことがありますか?」ということです。
というのは、口唇ヘルペスの市販薬を購入できるのは再発のときに限られるからです。
初めて口唇ヘルペスの症状が出た場合は、@再発よりも重症化しやすい、A口角炎などの他の病気と間違っている場合がある、などの理由で市販薬は購入できないことになっています。
一度口唇ヘルペスの症状を経験した人は、ピリピリした予兆や水泡ができてやがてかさぶたになるなどの症状の推移が分るので、他の病気と勘ちがいすることが少ないということです。
口唇ヘルペスの処方箋薬には、内服薬のバルトレックス(成分はバラシクロビル)とゾビラックス(成分はアシクロビル)があります。
バルトレックスは一番早くヘルペスを治すお薬で、性器ヘルペスにも効果があります。
市販の口唇ヘルペス薬ではヘルペス予防はできませんし、性器ヘルペスには効きません。
同じ成分の塗り薬も処方されます。どれもウィルの増殖を抑える抗ウイルス薬です。
市販薬も成分はアシクロビルですが、内服薬はなく軟膏またはクリームの外用薬だけです。
アシクロビルの他にビタラビンという成分の外用薬もあります。
商品としては、アシクロビルを成分にする「アクチビア軟膏」、「ヘルペシアクリーム」、「ヘルペエース」のほか、ビタラビンを成分にする「アセラナS」などがあります。
口唇ヘルペスの市販薬を購入するときに、再発かどうかの確認以外にもう1つ薬剤師に聞かれることがあります。
それは「唇以外の場所に使いませんか?」ということです。これは、具体的に言うと、性器ヘルペスの治療に使うのではありませんか、ということです。
なぜこのような質問をするかというと、口唇ヘルペスと性器ヘルペスのお薬は成分が同じで、両方に効いてしまう可能性があるからです。
「効くのなら使っても良いのでは」と思うかもしれませんが、性病の薬を手軽に市販薬で治療するという発想にはやはり危険性があります。
性病は他の性病を併発していることも多く検査が必要なことと、性器ヘルペスは口唇ヘルペスよりも重症化しやすく、内服薬での治療が必要な場合があるからです。
口唇ヘルペスも外用薬よりは内服薬が強い効果がありますが、再発のときには市販の外用薬でも対応が可能です。
市販薬のメリットは、病院に行く時間がなくて治療の開始が遅れるのを防げることです。口唇ヘルペスの治療はなるべく早い段階で治療することが重要です。
ただし、市販薬の使用期限はどれも半年くらいなので、それを過ぎて使いさしのお薬を使うことがないように注意しなければなりません。
抗生剤のバルトレックス(バラシクロビル)は処方薬のため医師の診断がひつようですが、個人輸入で海外のストアから通販することも可能です。