ヘルペスの感染経路
ヘルペスは、基本的には人から人へという接触感染による感染症です。
ヘルペスウィルスは、一度感染すると症状が無くなったとしても体内の神経節にウィルスが隠れ潜んでしまう、潜伏感染するウィルスです。
何年も症状が無いこともありますし、頻繁に再発を繰り返す人もいますが、日本人の半数以上はヘルペスウイルスに感染していると言われます。
子供の頃にヘルペスウイルスに感染することが多いのです。
幼い頃にかかる「水ぼうそう」も、ヘルペスの一種なのです。
一般的な口唇ヘルペスなどは、単純ヘルペスウィルスによって感染し、大概は子供の頃に家族間で感染しています。
ヘルペスウィルスは非常に感染力の強いウィルスなので、直性的な接触感染だけでなく、間接的にモノを通じても感染が広がってしまいます。
ウィルスのついたタオル類や布団、衣類などの繊維や、口をつけたコップやグラス、スプーンフォークや食器類、キスは勿論ですし、子供への食べ物の口移しなどでも感染します。
親子、夫婦などの家族間、特に親しい間柄での感染が多いので『愛のウィルス』などと言う人もいたりします。あまり、ありがたくない愛とも言えるでしょう。
皮膚にヘルペスの水ぶくれが出た後は感染力が高まります
ヘルペスウィルスは潜伏している時期よりも、水ぶくれなどの皮膚症状を発症している時期は、特にウィルスの活動が活発化しています。
大量のウィルスを排泄している状態でもあり、特に水ぶくれ(水泡)の内部の浸出液には大量に含まれています。
水泡が破裂して浸出液が他の部位についたりすると症状が広がりますし、他の人への感染もしやすくなってしまいます。
そんな時期に使ったタオルなどを、他の人が使うと間接的に感染してしまうということです。
子供の頃などにヘルペスに感染していない場合、大人になってから初感染した場合は症状が悪化しがちなので注意が必要です。
免疫があっても抵抗力が落ちているような状態だと、発症している患者に接触すると感染・発症しやすくなります。
自分自身の手や指で患部に触れた場合も、キチンと手洗いをしていない状態で他の部分に触れたりした場合は感染します。
自分だけでなく、他人にも触れたりすると感染させてしまいかねません。
患部に触れた直後だけでなく、数時間は感染の可能性がありますので、発症時には特に気をつけなければなりません。
特にアトピーの場合などは、ステロイド軟膏などで治療している場合は皮膚のバリア機能も落ちていますから、皮膚感染によって酷い症状が広範囲に拡大するケースもあります。
ヘルペスウイルスは性行為を介さずに感染します
性器ヘルペスの再発を繰り返しているような人は、粘膜や体液、唾液にもウィルスが出ていることもありますが、本人に症状が無く無自覚な場合もあります。
無自覚なままに、性交渉などでパートナーへ口唇ヘルペスや性器ヘルペス(GH)を感染させてしまうケースも多々あるのです。
大人になってからの初感染の場合は、重症化することもあります。このような『愛のウィルス』は本当に迷惑ですね。
バスタオルやバスルームのイス、便座などからも、感染することがあります。
タオルの共有は避けて、入浴施設などのイスなどは、湯で一度洗い流しておけば問題ありません。
トイレの便座の場合、使用前に消毒用エタノールで便座を拭いたりすると感染予防もできます。
出産時には、母体からの母子感染が危惧され、帝王切開となるケースもあります。
母体の産道でウイルスが増殖していると、出産時に新生児が産道感染してしまい、新生児ヘルペスを発症する可能性があります。
生まれた直後は元気なのに、数日後に発熱し、乳を飲まなくなったり、ぐったりしたりして、後遺症が残ったり死亡することもあります。
母子感染の発症率は低いのですが、きわめて重篤な状態に陥るケースもあるのです。
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