口唇ヘルペスの原因

口唇ヘルペスは「単純ヘルペスウイルス1型」というウイルスがひき起こす病気で、唇に水泡ができてヒリヒリとした痛みがあります。

風邪をひいたときに出やすいので「風の華」と呼ばれたりしますが、風邪のウイルスが原因ではありません。

風邪に限らず体力が弱って免疫力が低下したときに、潜伏していたヘルペスウイルスが活性化して口の周りに口唇ヘルペスが発症します。

ヘルペスウイルス1型(HHV-1)は、唾液の飛沫、キス、コップの回し飲みなどで感染し、口唇ヘルペスの原因は�T型で、性器ヘルペスはII型です。

感染してもすぐに症状が出るとは限らず長い潜伏期間の後に発症することが多いので、口唇ヘルペスは感染症とは思っていない人が多いのが実際です。

HHV-1は非常にありふれたウイルスで、長年の間にほとんどの人がキャリアになります。

いちど感染すると顔にある三叉神経に潜伏して、一生消えることはありませんので、口唇ヘルペスは何度も再発するのです。

ヘルペスを早く治すにはバルトレックス（バラシクロビル）やゾビラックス（アシクロビル）というお薬を服用します。

成人では約5〜6割、50歳以上ではほとんどの人が口唇ヘルペスに感染していると言われています。

また、HHV-1のキャリアになっても口唇ヘルペスの症状が出ずに、一生無症状キャリアのままの人も少なくありません。

症状が出る場合は、感染後すぐに症状が出る人と、無症状で潜伏して風邪などをきっかけに初めて症状が出る人があります。

口唇ヘルペスは、初感染のときは症状が重く、再発したときは症状が軽いのが特徴です。

初感染のときは、唇に大きな水泡が広範囲にできるほか、熱が出たりあごの下のリンパ節が腫れることがあります。再発の場合は唇の1カ所に小さな水泡ができる程度なのが一般的です。

また、麻疹(はしか)と同じで、大人になってから初感染したときは、子どものときに感染したよりは症状が重いのも口唇ヘルペスの特徴です。

口唇ヘルペスは治療をしなくても1〜2週間で症状は消えますが、初感染のときは重症化しないようになるべく早く治療するのが得策です。

治療には、抗ウイルス薬の軟膏や内服薬を用います。バルトレックス、ゾビラックスなどの治療薬がよく使われています。

口唇ヘルペスの予防は、ウイルスを持っている人が多いだけに難しいのが実際ですが、症状が出ていない潜伏期間のキャリアから感染することはありません。

大人になってから感染すると症状が重いので子どものうちに感染しておいた方が良い、というのも1つの考え方かも知れませんが、やはり水疱などの症状が出ているときは人に感染させないように注意するのがマナーです。

患部に触れた手で食器に触れないなどの注意が感染の確率を低くします。

性器ヘルペスの原因も単純ヘルペスウイルスですが、こちらは２型で口唇ヘルペスを起こす１型とは別のウイルスです。

性器ヘルペスは口唇ヘルペスよりも再発回数が多いのが特徴です。

口唇ヘルペスと間違われやすい病気に口角炎があります。

口角炎はストレスや疲労で免疫力が弱っとき、ビタミンB群が不足したときなどに、カビの仲間のカンジダ菌やブドウ球菌が起こす炎症です。

唇の端にひび割れやただれが生じて痛みがあるのが口角炎の症状です。

抗生剤のバルトレックス（バラシクロビル）は処方薬のため医師の診断がひつようですが、個人輸入で海外のストアから通販することも可能です。