ヘルペス性口内炎とは？
ヘルペスとはヘルペスウィルスによる感染症です。
一般的には単純ヘルペスウィルスによる口唇ヘルペス、性器ヘルペスなどが有名ですが、この単純ヘルペスウィルスからの感染で「ヘルペス性口内炎」を発症することもあります。
生後6ヵ月以降の乳幼児に多く発症することが知られています。
ヘルペス性口内炎は、「ヘルペス性歯肉口内炎」とも呼ばれ、唇や口腔内(口の中)の舌や歯肉に発疹し潰瘍となって赤く腫れあがる口内炎です。
激しい痛みと発熱を伴い、口腔内の皮膚だけでなく、喉にまで発症するという重い症状の病気です。
通常は唇や口元周辺に発症する口唇ヘルペスが、口腔内に発症してしまうケースで、乳幼児から幼児がほとんどですが、最近は15歳くらいの発症例もあります。
まれに大人が発症する事例(再発)もあり、その場合はかなり重篤な症状となります。
感染経路としては、主に母親や家族などでヘルペスウィルスを持っている人からの接触感染です。母体からの移行抗体がなくなる生後６ヶ月から３歳までの乳幼児に多く見られます。
つまり、家族間のキスや食物の口移しなどが主ですが、唾液による飛沫感染もありますし、タオルや食器類の共有からも感染します。
母親の知識の無さなどから、昔は口唇ヘルペスは「熱のはな」と呼ばれ、感染症とは認識されていませんでしたので、他人にうつると思っていない人も少なくありません。
60歳以上の年配の人は大半が感染していますから、祖父母たちの安易な接触などには特に気を使いたいものですね。
ヘルペスウィルスに感染してから、数日-2週間程度の潜伏の後で発症します。
主な症状は、口内や歯肉の炎症による痛み、38℃以上の高熱やリンパの腫れ、口腔内粘膜に細かい水ぶくれたくさんできて、破裂すると潰瘍状態(凹み)になります。
激しい痛みですが、乳幼児や幼い子供は症状を伝えられず泣くばかりで、発見が遅れてしまうことも多々あります。
ヘルペス性口内炎は、ウィルス感染なのでバルトレックスなどヘルペス治療の抗ウィルス剤での治療が有効です。
抗生剤のバルトレックス（バラシクロビル）は処方薬のため医師の診断がひつようですが、個人輸入で海外のストアから通販することも可能です。
高熱がでることも多く、乳幼児の場合は熱にばかり気を取られてしまいがちですが、解熱よりトータルでの治療が大切です。
発熱は数日でも、口内炎が完治するまでには1-2週間かかりますし、激しい痛みで食べられなくなってしまうケースも多くあります。
乳幼児は熱で脱水しやすいですし、できるだけ刺激の少ない水分の補給を心がけてください。柔らかくて口当たりの良いプリンやゼリー類は喉を通りやすいですし、アイスクリームも良いでしょう。
乳酸菌飲料やジュース類は刺激となり、痛みを増すこともありますので注意が必要です。食後は口の中を清潔に保つよう、ぬるめの湯やイソジンなどでのうがい消毒もおすすめです。
「ヘルペス性口内炎」は、口内炎の中でも特に痛みが激しく、症状が重くなりがちです。一般的な口内炎は「アフタ性口内炎」と呼ばれ、細菌による炎症が主な原因です。
口の中を噛んでしまったり、固いもので傷めたりして傷が出来ると、傷口から細菌が入り込んで炎症を発症します。
疲れや熱などで口腔内の粘膜に問題がある場合や、栄養不足やストレス過多で免疫力が落ちているときもアフタ性口内炎になりますね。
子供に多い「ヘルパンギーナ」による口内炎も、「ヘルペス性口内炎」と区別をつけにくい症状です。
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