ヘルペスと帯状疱疹の違い
帯状疱疹は、ヘルペスの一種です。
ヘルペスと聞くと「性器ヘルペス」をイメージしてしまう人が少なくないようですが、ヘルペス Herpes（疱疹)には幾つかの種類があります。
ヘルペスとは水ぶくれという意味で、水ぶくれの皮膚症状がでるのが特徴です。
人間に感染するヘルペスウィルスには8種類あります。
- ヘルペスウイルス1型（HSV-1）では、口唇ヘルペス 上半身に発症しやすい 目の角膜、唇、顔、手の指など
- ヘルペスウイルス2型（HSV-2）では、性器ヘルペス 下半身に発症しやすい 性器、肛門周辺、臀部など
- 水泡・帯状疱疹ウイルス（VZV）では、水ぼうそう 帯状疱疹となります。
水ぼうそうは全身にできますが、帯状疱疹は発疹が神経に沿って、身体の左右片側だけに帯状に発症します。
帯状疱疹は頭や顔、体幹など胸や腹部、背中にできやすく、下半身にはでにくいとされています。
一般的には「ヘルペス」と言うと、単純ヘルペスウィルスによる「口唇ヘルペス」や「性器ヘルペス」を指すことが多いようです。
「ヘルペス」=「性器ヘルペス」という、性感染症というイメージが強いのは、アメリカで1980年に性器ヘルペス患者が増加したという記事が、雑誌タイムが「Herpes」というタイトルで大々的に報道されたためです。
ヘルペスという言葉が、タイム誌によって有名になり、ヘルペス=性病という強く印象付ける結果になったのです。
性器ヘルペスは性感染症であり、主に性交渉にて感染する病気です。
ただし、ヘルペスには性器ヘルペス以外にも、俗に「風邪のはな」「熱のはな」と呼ばれている「口唇ヘルペス」や、子供の頃にかならずかかると言ってもよい「水ぼうそう」、加齢などで免疫力が落ちると発症する「帯状疱疹」などもあります。
水痘帯状疱疹ウイルス（VZV）には、ほとんどの人が幼少期にかかり、水ぼうそう(水痘）になります。
感染して皮膚に生じた発疹から、神経を伝わって神経節内にウイルスがずっと隠れ潜んで(潜伏)しまいます。
神経節内に潜伏感染していたウイルスが何らかの誘因で、再活性免疫機能が低下したとき、加齢や過労、大きな病気の後などに、帯状疱疹として発症します。
隠れ潜んでいたウィルスが再活性化され、神経節内で増殖して活動を再開し、知覚神経を通って表皮に達し、表皮細胞で更に増殖して、神経のラインに沿って帯状に赤い発疹や水ぶくれの皮膚症状と、激痛などが出現します。
自分の内部に潜んでいたウィルスからの発症であり、他人から感染して帯状疱疹になるわけではありません。帯状疱疹は、一度発症すると再発はしないと言われています。
口唇ヘルペスも、性器ヘルペスも、一度感染すると神経内にウィルスは潜伏していて、何度も再発します。
体力が落ちたり、免疫低下したりして、身体が弱ってきたとき、ストレスが溜まって疲労している場合などは、再発を頻繁に繰り返す人も少なくありません。
・帯状疱疹
発症によりで皮膚症状が重くなり、痛みを強く感じます。
神経に作用してしまうので、皮膚の症状が治まっても、神経痛として「痛みだけが残る」こともあります。
「帯状疱疹後神経痛」として、特に高齢者は重症化しやすく、痛みも辛いケースが多いので注意が必要です。
・単純ヘルペス(口唇ヘルペス、性器ヘルペスなど)
帯状疱疹ほどの痛みではなく、痒みの方を強く感じる人が多いです。
皮膚症状が治まると、痛みも痒みも緩和されますが、何度も繰り返し発症する病気です。
一般的にヘルペスと言う場合は、この単純ヘルペス(口唇ヘルペス、性器ヘルペスなど)を指していることが多いようです。
帯状疱疹は痛みが強く、激痛を感じるとも言われていま。
単純ヘルペスの方が痛みは弱い、その分何度も繰り返してしまう、と言えるでしょう。
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