子供のヘルペスとは？
子供のヘルペスというと「水ぼうそう」を、すぐに思い浮かべる人も多いでしょう。
ヘルペスウィルスは8種類あり、そのうちのひとつ水痘・帯状疱疹ウイルスで「水ぼうそう」を発症します。
子供の頃に感染し発症した水ぼうそう(水痘)は治ると再発することはありませんが、ウィルスは体内に残って隠れ潜んでいます。
大人になり免疫力が落ちたとき、加齢などで抵抗力が無くなったころに「帯状疱疹」として発症したりもします。
乳幼児の頃に、口唇ヘルペスが感染して「ヘルペス性歯肉口内炎」を発症することもあります。
単純ヘルペスウイルスに初めて感染した乳幼児に最も多く、39度前後の高熱がでて、口の中に小さな水疱ができたり、粘膜や歯肉が腫れて出血したりします。
強い痛みを伴うことが多く、食べ物が口にできなくなる子供も少なくありません。
新生児や乳児の場合は脱水症状を起こしやすいので、入院して点滴治療をするくらいに重症にいたるケースもあります。
親や家族など、単純ヘルペスウィルスをもっている人(主に口唇ヘルペス発症時)との接触感染によって、初感染したときに「ヘルペス性歯肉口内炎」は発症しやすく、母体からの免疫が無くなる生後6ヵ月以降の新生児から乳幼児に多い病気です。
一度発症すると口腔内ヘルペスとしての再発はしませんが、口唇ヘルペスの再発を繰り返します。
口唇ヘルペスは「風邪のはな」「熱のはな」とも呼ばれる唇や口周辺の腫れや発疹、水ぶくれなどの症状です。
発症して水ぶくれ状態になっているときは、ヘルペスウィルスが増殖して活発で、他人にも感染させやすい時期となります。
口唇ヘルペスを発症している大人が、乳幼児や子供たちに感染させてしまっているケースがほとんどです。
キスや口移しは勿論ダメですが、患部を触った手指でも感染させてしまいますし、唾液の飛沫や、タオルや食器などの共用でも感染します。
60歳以上の人はほとんどが単純ヘルペスウィルスを持っていますし、感染症だという知識のないままに(悪気なく)キスや頬ずりをしようとする祖父母も少なくありません。
免疫機能が未熟な幼い子供が居る場合は、特に気をつけたいものですね。
母親が単純ヘルペスウィルスもっていて、出産時に発症している場合は産道を通じて「新生児ヘルペス」を感染させるリスクもあります。
産道でヘルペスウィルスが増殖している場合は、帝王切開を選択するケースも少なくないのです。
新生児ヘルペスは、出産時に産道で感染し、生まれた直後は元気なのですが、数日後から発熱してミルクも飲まなくなって、黄疸や呼吸障害などに陥ります。
適切な治療が行われない場合は、死亡するケースもあるのです。
母子感染での発症率は低いのですが、発症すると死亡率は30%と高いですし、脳症などの後遺症が残る場合もあります。
まれに、妊娠時の胎内感染にて先天性感染症となり「小頭症」「水頭症」など中枢神経系異常を示すケースもあります。
他にも子供がかかる単純ヘルペスとしては、ヘルペス性角膜炎やカポジ水痘様発疹症（すいとうようほっしんしょう）、ヘルペス脳炎、性器ヘルペスなどもあります。
アトピーをもっている子供の場合に、ヘルペスを発症するとカポジ水痘様発疹症となり重篤化しやすいので注意が必要です。
ヘルペス脳炎という、発熱や意識障害・けいれん発作・幻覚などの症状が起こるような重篤な病気もあります。
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